第29回 
Sitting
Summary 2004.7,31 


居座り
ごえべえ

朝、彼の家の正面のステップに一組の男女が座っていた。彼らはずっと座り続け、動こうとしない。いつ食べているのか寝ているのかもわからないし、話し声も聞こえない。ただ、ずっと座り続けている。やがて、彼の家の前を通った人はみな「一体、だれだい?」と彼に電話してきた。
警察が二人をどかしたが、また翌日、彼らは戻ってきた。冬の寒さが彼らを殺してしまうだろうと思っていたが、彼らは何年もずっと座り続け、彼のほうが死んでしまった。
彼は天涯孤独だったので、市が彼の家を相続した。市は彼らをどかそうとしたが、町中の人がこんなに長く座り続けた彼らに家を相続する権利があると裁判所に訴え、家は彼らのものになった。判決の翌朝、見知らぬ男女が町中の正面階段に座っていた。


奇妙な話でしたが、わかりやすくって、結末には笑えました。
しかし、これ、何かの風刺なのかな?

座っちゃえ
しおぴー

 ある朝、彼の家の前の玄関先に、男と女が座っていた。一日中、身じろぎもせず座っている。彼は正面ドアのガラス板からちょこちょこ様子を伺っていたが、男女は夜になっても動かない。翌日になっても、まだ座ったままだ。
 さっそく目ざとい隣人が電話をかけてきた。あれ、誰だい? 何をやっているんだ? そんなことは彼にもわからない。
 そのうち、街中の人々から電話がかかってきた。なんとかしなくては。
 彼は男女に立ち去ってくれるように言ったが、まるで無関心に見つめ返されるだけだ。 彼は警察を呼んだ。警察は、男女をパトカーで連れて行った。ところが、男女は翌朝にはまた戻っていた。
 再び警察を呼んだ。どうしてもというのなら男女を牢屋に入れることはできるが、これは警察の問題ではなく、彼の問題だ、と彼は警察に言われた。ともかく、警察は二人を連れて行った。
 しかし、翌朝には、やはり男女は戻っていた。そして、二人はその後何年も毎日座り続けていた。毎年冬になると、彼は男女が凍え死なないものかと思っていた。ところが、死んだのは彼の方だった。
 彼には身寄りがなかったため、家は街の所有するところとなった。街が男女を家から追い払おうとしたところ、市民たちが街に対して訴訟を起こした。ずっと座り続けていたんだから、家はこの男女のものだ、と。
 市民たちが勝訴し、男女が家を獲得した。
 朝になった。街中の家々の玄関先に、見知らぬ男女が腰掛けていた。

**********

毎度毎度、遅くなり、すみません。
このお話、短すぎて、まとめるというよりも、翻訳みたいになってしまいます。
でも、おもしろいお話でした。よくこんな話、考え付くなぁ…

たったの1ページ半足らずの短い作品、だけど、おちが効いていて、愉快でした。「座っちゃえ」というしおぴーさんのタイトルのつけ方には、「やられた〜」って気分でした。
しかし、黙ってずっと座り続けられるって、実際にいたら、気味悪いですよね。
単語/勉強会HOME/掲示板/おすすめ洋書
 映画のことはハリポタ勉強会
お勧め辞書
Longman Dictionary of Contemporary English /American Heritage College dictionary/Colins COBUILDCD-ROM/小学館ランダムハウス英和辞典CD-ROM/世界最大!100万語収録CD-ROM英和和英辞書『英辞郎』
お勧め辞書サイト
Bartleby com/インフォシーク英和辞典/RNN時事英語辞典/Dictionary com/LYCOS:ディクショナリィPowered By バビロン