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The Burden Agath Christy(Written as Westmacott)
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愛されるということは重荷なのか・・・

アガサ・クリスティ
は別名メアリー・ウェストマコットで書いた6冊のミスリィではない、普通の小説があります。
最初に読んだのは「春にして、君を離れ」でした。
日本語で読んだのですが、人間観察の鋭さと冷静で客観的な描写、読み続けずにはおられないような、ストーリーに見せられました。
内容は、「自分のことかも」と思えるような誰にでも可能性がある、家族間の葛藤、自省、人間のしぶとさが描かれていて、読んでいる最中から、読後も、人を愛することの難しさ、愛していると思い込んでいる錯覚、冷徹な人、全てを人のせいにする人などについて深く考えさせられました。
勿論、読書会でもみんなで読みました。 メンバー全員が気に入った作品でした。

さて、その後、「Unfinished Portrait」(これはダスティン・ホフマン出演の映画になっています)「The Rose and the Yew Tree」を読みました。
いずれも心に残るいい作品でした。
そして、久しぶりにまたアガサ・クリスティを読みたくて、「The Burden」を取り出しました。(あとの二冊も手元にはあるんですが、まだ読んでいません)
読み出してからすぐにどっぷり主人公のLauraにはまりました。
Lauraはとってもいい子、両親にとっては心配しなくていい子、でも愛情を注ぎ込みたくなるような子どもではなく、兄のCharlesを可愛がっていたのですが、Charlesは病気で死んでしまいます。
悲しみに打ちひしがれる両親、でも、Lauraはこれで両親の愛情を一身に受けられると密かに楽しみにしています。
それなのに、妹が産まれ、両親はどうやらその妹の方がLauraよりも可愛いと感じているらしい。
ここまでで、母親の愛情に飢えていた長女の私と重なる部分も多くて、もう、Lauraになった気分でドンドン読み進みました。
Lauraは妹の死を神に願うのですが、火事になったとき、 まだ赤ん坊の妹を必死で助けてしまいます。
急に大きな愛情がLauraの中に芽生えたのです。
ストーリーはそれから、二人姉妹が年頃になったときに続き、驚くような展開を見せ、最後、一体どうなるのか! まったく結果が見えないのに、まるで謎を解くかのようにクリスティは鮮やかな結末で締めくくってくれます。
そして、最後に「愛されるということは重荷なのか」と、溜息とともに私はつぶやいてしまいました。

誰しも愛されることを求めていはしても、毎日、毎日、いつでも自分に注意が集中しているのは息苦しいこと。
恋人というものは、別々に住んでいるからこそ成り立つものなのかもしれません。
愛し、愛されるというのは、どういうことなんでしょう。
また、「The Burden」も読後にいろいろと考え込んでしまいました。(03.1.24読了)

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Watchers By Deen Koontz
友人にすすめられ(友人は翻訳を読んだのだが)読んでみた。初め、そ厚みに圧倒されたが、もう読み出したら止まらないほどだった。あんまり夢中で読んだので、Watchersについて誰かと英語で話したくなって、その頃よく街で配られていたECCの無料体験チケットでECCに行って、そこのインストラクターとWatchersの話を熱っぽく語りました。
ストーリーは、自分の愛する人はみんな死んでしまうという不運に悩まされていた主人公と、絵の才能を秘めた女性が、遺伝子操作されて生まれた犬を介して知り合い、同じく遺伝子操作された怪物のような犬から逃れ幸せをつかむというものでした。
私が著者に共感を覚えた点の一つに、遺伝子操作された怪物の犬もただの悪者ではなく、犠牲者としても描かれているという点でした。Deen Koontzの生き物へのやさしい視線。
窮地に追い込まれた主人公が果敢に危機を乗り越えていくさまには感動しました。
人の言葉を理解する賢い犬はゴールデンレトリバーで、犬好きにもたまらない本かもしれません。
また、読み返したくなっちゃう!('96 1.6読了)

Flowers For Algernon
By Danel Keyes
日本でドラマ化されたので知ってる方も多いと思いますが、脳の手術で知的障害者だったCharlyが超天才になってしまう話です。人より秀でて賢すぎるというのは、とてつもなく孤独なことなんだとしみじみ感じました。そして、知的障害を持って産まれた子どもに対する母親の冷たい態度に泣けました。
もしも自分が同じような子どもを持ったら、どうしたのか、それは、仮定の話でしかないので、なんとも言えませんが、温かく見守ってあげたい。でも、半分の自分は「こんな子どもを持ってしまった」と嘆いているのかもしれません。
Charlyの母親は彼のことを「恥」だと捉え、妹に対してCharlyが悪さをしでかすのではと恐れます。
人間の一番汚い、触れたくない部分を見せ付けられたように思えました。でも、Charlyの母親を哀れとは思えても、憎くは思えませんでした。
この小説はCharlyの日記のようにして書かれているので、Charlyは最初まともな英語が書けないので、スペルミスばかりで、英語を読み慣れていなかった私にはちょっととっつきにくかったですが、段段と読み慣れていき、Charlyに感情移入して、どっぷり読みました。
翻訳ででも読みましたが、やはり、英語で読むほうが(一体このスペルミスをどう日本語で表したのかと興味がありました)よりCharlyに気持ちを添えて読めるように思います。('96 6.12読了)
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