第26回 
Children of Strikers
Summary 2004,4,30 


ストライキの町の子供たち
しおぴー

 製紙工場と製粉所の傍を流れる黒く汚染された川沿いを十二歳の少女と、彼女より少し年下の少年が歩いている。どんよりと今にも雨が降り出しそうな天気で、もともと灰色の少女の顔や暗い目がますます暗く見える。
 ぶらぶら歩きながら、時折少女は目に付いた物を拾い上げる。ブリキのかけらや汚れた布切れなどだ。と、少女が何かを拾い、それをセーターのポケットに入れた。少年が見せてくれと言うが、少女は見せようとはしない。しかし、しばらく歩いているうちに、少女が「足よ、赤ちゃんの」とつぶやく。しかし、少年に見せはしない。少年は足だなんて信じないとは言うものの、誰かが赤ちゃんを殺して、切り刻んで、川に投げ捨てたんだ、と想像を膨らませる。
 とうとう少女はポケットからそれを取り出して少年に見せた。それは赤ちゃん人形の足だった。少年はその足を手に取って、その切り口が鋭く滑らかであることに感嘆する。そして、また想像力を膨らませる。気が触れた奴が本物の赤ん坊を殺す前に、人形で練習したのかもしれない。少女は、「そんなの、その辺の子供がやったんでしょう」と言うが、少年は、子供はよく切れるナイフなんて持っていないし、持っていたってこんなに滑らかに切ることなんてできないと反論する。少女もとうとう同意する。
 振り返って上流を見上げれば、二人の住む町、ファイバービルがある。父、母、成長した息子たちがいる町。みんな見知らぬ人のようになってしまった。いつも荒々しい言葉を叫び、テーブルをバンバン叩いている。部屋には暴力の熱気が満ちている。

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これ、あまり好きではないです。読んでいて気分が滅入ってきます。
この町の人たちは、工場に対する抗議活動をしているんでしょうか。
みなさん、どう思われますか?

ストライカーの子どもたち
ごえべえ
2歳の少女と少し年少の男の子が、科学薬品で汚れた黒い川沿いを歩いてた。ひどい匂いがしていたが、二人は気にもしていなかった。二人の住まいは黒ずんだ小さなバンガロ−の集まり、「ファイバービル」だ。
少女が何かを拾った。少年が気づき、それを見せろと執拗に少女に迫る。
「赤ん坊の足を拾った」と少女は、見せずにいう。少年は「きっと誰かが赤ん坊を殺して足を切ったんだ」と言う。少年は見たくてたまらない。少女は足を見せたら何をくれるのかと尋ねるが、少年には何も持っていない。少年はどうせ、足なんて拾っていないだろうと言う。
少女はくやしくて、ポケットから足を取り出す。赤ん坊のではなく、人形の足。でも、その切り口が鮮やかだったので、もしかしたら、誰かを殺そうと思っている人物が練習に人形の足を切ったのかもしれないと少年が言い出す。子どもがいたづらに切ったのなら、これほどに鋭利に切断されなかっただろうと。
少女も最後には少年の考えが正しいと思う。
「ファイバービル」に住む男たちはもう毎日髭をそらず、女たちはよく泣き叫ぶようになった。みんな今までとは違う人になってしまった。思いもよらない残虐なことが忍び寄っているのかもしれない。

かなり長い期間、ストライキをしてるんでしょうね。
それで、大人も子どもも心が荒んでいる。
もしかして、工場の公害でストライキ以前から荒んでいたのかもしれないけど。

この作品、今までで一番、好ましくないですね。いやはや…

しおぴーさんと二人っきりのサマリーになってしまいました。ちょっと寂しかったですが、ひとりぼっちじゃなくて、ホッとしました。とにかく、暗い話で、ストライキをしている親を持つ、おそらく貧しい少女と少年の話でした。切れた人形の足を見ての想像がどんどん怖いほうへ行ってしまうのは、二人の精神状態を映し出しているように思えました。
ストライキで停滞してしまった日常生活への言いもえぬ怒りとあせりがじんわりと感じられた作品でした。
こうしてみると、親の生活はやはり、子どもの心への影響が大きいのでしょうね。
 
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