第八回 
Five Ives
Summary 2002,10,31 


ファイブ・アイブズ
ごえべえ
ジム! オレだよ。大リーグからかけてるんだぞ! オレ、今夜ニックネームがついたんだ。ああ、酔ってるよ。テキサス・テックがオレを呼んで、ヤンキースタジアムに言ったんだ。みんなオレのこと知らないけど、「バントさ打ってくれる」ってバーキーがみんなに紹介してくれたんだ。ロッカールームで姪をやっちゃった、なんて話を聞いたりした。
二つバスを乗り継いで寝不足だったんで、「疲れてて」と言うと、丸薬をくれた。それをすぐに飲み込んだけど、ドラッグだったんだ。「5グラム」の。
それがわかってから、「5グラム、5グラム」ってガンガン頭に響いてくる。もうダグアウトにいても、試合どころじゃなかった。
けど、指名され打席に入った。1フットの差でバントできなかった。でもな、なんと、ホームランをかっ飛ばしたんだ。
それで、ホームについたら、「ファイブ・アイブ!」「ファイブ・アイブ」ってみんな肩をたたいて喜んでくれたんだよ。
それがオレのニックネーム。 すまん。赤ん坊、起こしちまったな。ああ、これからは気をつけるよ。
え、オヤジには言うなよ!

単語のページに「Techs」を技術者や専門家と書きましたが、Texas Tech Red Raidersのことだと思います。後で訂正しておきます。M(__)M
ファイブ・アイブズ
しおぴー
ジムへの興奮気味の電話。父さんには後で電話するよ、まあ、聞いてくれ。テックスが脚を骨折したペリッジの代わりに俺を呼んだ。で、ニューヨークはヤンキー・スタジアムにいるってわけだ。
ロッカー・ルームに入ると、スペイン人の野郎がわけのわからないことを口走りながら背中に飛び乗ってきた。部屋の向こうにいた太っちょが「背中から降りろ、そいつ、スペイン語は通じないぞ!」と叫ぶ。背中に乗った奴がジュリオ・ユーリブ、太っちょがブーム・ホルムズだ。
さて、監督、バーキーのお出ましだ。オフィスから出るなり「お前、誰だ!」と来た。べちょべちょのサンドイッチを手に「お前、バント打てるか?」 俺は「ああ」と答える。すると、俺をロッカー・ルームに引きずっていって言った。「こいつ、バントが打てる。野球はたぶん出来んが、バントができる!」
ロッカー・ルームの管理人が俺にロッカーを教えてくれた。ハブ・コフの隣だ。彼はジュニア・レンと話してた。ジュニアが「アメリカン・リーグへようこそ! ひとつどうだい」と錠剤をくれた。「これ、なんだい?」
「五ミリグラム」
5ミリグラムなんてすごい上物だ。その半分の量だってお目にかかったことがなかったんだから。
試合が始まっても出番もなく、応援で飛び上がってはまた座り、水を飲みに立ったり。バーキーが俺を睨んでる。「五ミリグラム」のことばっかり考えてて試合もろくすっぽ見てないからだ。と、バーキーが俺を地下通路へと引きずっていく。
「お前、これからする話をバラしたら、ぶっ殺すからな。俺のオヤジは事故で牧師を撃ち殺しちまった。悪いのは牧師なんだが、オヤジは俺を牧師にしようと決心して育てた。それをオヤジは死ぬ間際まで俺に言わなかった。だが俺は野球をやるために大人になった。それくらい野球が好きなんだ。お前、野球をやる気がないなら、とっとと失せろ」
ベンチに戻ると、ハンブルが「牧師の話か?」 俺はうなずいた。ゲームがどうなってるかなんてさっぱりだ。と、バーキーが立っている。「バント、見せてもらおうじゃないか」
ヤンキースのピッチャーは、トミー・ジョン。俺の大リーグでの初打席。でも俺の頭の中は「五ミリグラム!」それだけしかなかった。何とホームランをかっ飛ばしても考えるのは「五ミリグラム!」
ベンチでブーム・ホルムズがハイ・ファイブで迎えてくれた。みんながファイブ! ファイブ! ファイブ・アイブス! と叫びながら俺をパシパシと叩く。レポーターがブームに「どうしてみんな、あいつをファイブって呼ぶんだい?」と尋ねると巷での流行り言葉みたいなもんだとかって誤魔化して答えてた。
赤ん坊、起こしちまってごめんな。シャロンにもよろしく言っといてくれ。あと、わかってるだろうけど、オヤジにこのこと、言うなよ。

サマリー(にしては長すぎるかも…)アップしました。遅くなってしまってごめんなさいっ。
でも、今回の話、おもしろかった。
大リーグって、ホントにこんな風なのかしらん?

ファイブ・アイブズ
shio

よう、ジム!俺だよ。今、なんと大リーグからかけてるんだ!
信じられないかもしれないけどな、俺、やったぜ。ニックネームだって
ついたんだからな。
遅くに悪いけど、まあ聞いてくれよ。
今日、ヤンキーズ・スタジアムに行ったんだ。ペリッジが足を折ったとかいうんで、
テキサス・テックスから俺にお声がかかったってわけさ。
監督に挨拶にいったら、「お前、バントできるか?」なんて聞くんだよ。俺が
できるって答えると、それで決まり。こいつバントができるぞ、野球の腕は
ともかくな、って他の選手達に紹介してくれた。
ロッカールームは、いろんな選手でいっぱいで、ザワザワしてたよ。俺は結構
疲れてたんだ。そしたら選手の一人が、挨拶がわりにって錠剤を一個くれた。
これ何だ?って聞いたら、「五ミリグラムだ」って言うんだよ。五ミリグラムの
ドラッグなんて、そんなもん、今までやったことなかったさ。
試合が始まった。俺は落ち着かなくて、立ったり座ったり、水を飲んだり小便に
立ったりしてた。そしたら監督につかまって、説教くらっちまった。そして
とうとう俺の出番がやってきた。お前のバントを見せてみろとさ。スコアは0―2。
相手ピッチャーはトミー・ジョンだった。俺の頭の中では、「五ミリグラム」が
ぐるぐる回ってた。
一球目――俺はバントを狙ったが、惜しいところでミスっちまった。頭の中ではまだ
「五ミリグラム」の大合唱だ。
そして二球目。俺は見事、ホームランをかっ飛ばしたんだ。トミー・ジョンから
ホームランだぜ!
一周して戻ってくると、みんなが「ファイブ!ファイブ!」って叫びながら、
俺を叩きまくったよ。ロッカールームに引き上げても、「ファイブ・アイブス!」って
大騒ぎさ。そしてこれが俺のニックネームになったんだ。
赤ん坊が泣いてるな。悪い、悪い。俺もそろそろ行かないと。
じゃ、またな、ジム。おっと、親父には言うなよ。


今月は単語をアップするのがとっても遅くて、みなさんにご迷惑をおかけしました。
作品自体はとっても愉快なお話で、大リーグのロッカー室の臨場感がありました。ワクワクするような、ドキドキするような・・・
しおぴーさんもshioさんも話し言葉でのサマリー、作品の面白さが読んでいない人たちにもわかってもらえたらいいな。

単語/勉強会HOME/掲示板/おすすめ洋書
 映画のことはココハリポタ勉強会
お勧め辞書
Longman Dictionary of Contemporary English /American Heritage College dictionary/Colins COBUILDCD-ROM/小学館ランダムハウス英和辞典CD-ROM
お勧め辞書サイト
Bartleby com/インフォシーク英和辞典/RNN時事英語辞典/Dictionary com/LYCOS:ディクショナリィPowered By バビロン