第22回 
Say Yes
Summary 2003,12,31 


私が何者であろうと
ごえべえ
 

妻が洗い、彼が拭き二人で食器を片付けていた。彼は思いやりのある夫だと妻の友人に思われていて、彼自身、思いやりのある夫を自認している。
「白人は黒人と結婚すべきでないか」という彼女の質問に彼は「結婚すべきではないだろうな」と答えた。彼女は「なぜ」と下唇を噛み、眉をしかめて尋ねる。
 彼女は彼の意見に不満だった。彼は人種差別なんかする人間じゃないのに。二人が愛し合っていたとしても、白人と黒人が結婚するのはいいとは思えない、統計でもわかるように。彼女は食器をぞんざいにパッパと洗い出した。フォークには汚れがこびりついている、皿には油がギラギラしている。
 それを指摘した直後、彼女は親指を切り、出血した。彼はすぐさま二階に駆け上がり、アルコールと綿とバンドエイドを取ってきて、手当てをした。
 彼が食器を洗い、彼女と交替した。
「じゃあ、もし、私が黒人だったら、結婚しなかったのね」
 彼女は尋ねた。「もう、よしてくれよ」「そういうことでしょ」「そうだよ。しなかった。もし、君が黒人だったら、知り合うこともなかっただろう」「もしも、私が黒人で、誰とも付き合っていなくて、あなたと知り合って、愛し合ったとしたら」「もし、君が黒人だったら、今の君と同じ人間ではなかっただろう」これは疑う余地のないことだろうに、彼は窮地に追いやられているのを感じていた。「じゃ、私が黒人で、それでも私自身だとして、愛し合ったら、結婚した?」彼はしばらく考えたが彼女がやっきになって答えをうながし、彼は「結婚しなかった」と答えた。そして、彼女はそばを離れ、一人で雑誌をこれ見よがしに読み出した。彼は妻のことが気になりながらも、食器をきれいに洗って片付け、流しも磨き、彼女の血が落ちた床もモップで拭き、ゴミも外に持っていった。
外に出ると、気持ちのよい夜で、車のながれも川のように穏やかだった。つまらないケンカをしてしまった、という気持ちになってきた。
中に入ると妻は風呂場にいた。外から「君が黒人でも結婚する」とささやいた。
 そしてベッドで裸になって妻を待った。妻は電気を消すように行った。初めての夜のように心臓がドキドキして、妻が近づいてくるのを待った。

もっとはしょろうかと思ったのですが、どこを切ったらいいのか迷って、かなり長くなってしまいました。
初夜かな、って最初、読んだとき思ったのですが、「初夜のときのように」ということだったんですよね。
奥さん、どんなときでも、自分がどういう人間であれ、夫が自分と結婚したというのでなければ、許せないんでしょうね。
新婚のときって、そんなもんでしょうね

Yesといえない男
Megumi
夫婦が洗い物をしている。
妻が食器を洗い夫がそれを拭く。
夫は世の夫たちよりよく妻を手伝う。
夫はそういったことで、自分の愛情を示しているつもりだった。
彼らはいろんな話をし、話題は白人と黒人の結婚の賛否に移る。
夫はお互い異なる文化で育った場合、理解しあえないから結婚はすべきでないと言う。
妻は、もし自分が黒人だったら結婚するかと夫に問う。
夫は考えた挙句しないと答えた。
妻は平静を装っていたが明らかに怒っていた。
結局夫は妻に謝り、埋め合わせすると言った。
妻はどう埋め合わせるのかと問う。
夫は先ほどの答えを翻し、たとえ妻が黒人でも結婚すると言った。
妻は夫にベッドルームで待つように言った。
さらに妻は部屋の電気を消すように言った。
夫は言われたとおりにし、ベッドの中で裸で待っていた。
しかし何も起こらなかった。
ただ、家の中に人の動く音がした、見知らぬ人がいるような音が…。

******************************


かなり適当に読んでいるので細かい読み間違いがあるかも知れません。気付いたらまた訂正しにきますので(いつものことですが 笑)。
最後は何がいいたいんだろうなあ、って考えていてなかなかまとまらなかったです。もう書いてある通りに書きましたって感じです(笑
ただ、私はこの妻、最後までこの勘違い夫を許してないように思います。だからこのまま夫を待たせて妻は部屋に来ないんじゃないかと思うんだけどな。
あ、あと最初の方のconsiderateね、訳本は「思いやり」ってなっているし、辞書の定訳もそうなんですが、なんかしっくり来なくてね、「愛情」にしました。ただこれは異性への愛情とは違うどちらかというとただの「情」というものかな。うまくいえない。翻訳って難しいね。

結婚してくれる?
しおぴー

 二人で皿洗いをしていた。夫はめずらしく家事に協力的な男で、妻は友人からよかったわね、と言われるほどだ。その皿洗いの最中に、話が変な方向へ行ってしまって、白人と黒人は結婚できるか、などという話題になってしまった。
 夫は、学校でも近所でも黒人とはうまくやってきたが、文化背景の違いなど考えると、あまりうまく行くとは思えないと言った。妻はこれに賛同しない。
 そうこうしているうちに、妻が洗い物の途中で指を切る。夫は献身的に妻を介抱する。そうすれば、同じ話題を続ける気も失せるだろう…。
 ところが妻は固執し続け、「私が黒人だったら、あなた、私と結婚する?」と言う。一向に引き下がらない。とうとう夫は、妻が黒人ならば結婚しない、と答える。
 妻は怒っているはずなのに、雑誌を手に取りゆっくりページをめくっている。「あなたとは違うのよ」と言いたげに。夫も妻とは違うということを示さなければと思う。皿洗いを終え、血の落ちた床を掃除し、ゴミ箱を持って外へ出た。夜だ。静かで穏やかな夜。夫は、自分が妻に対して取った態度が恥ずかしく思えた。一緒に過ごしてきた年月を思い、どれほど緊密な間柄で、どれほど互いを知っているかを思った。家の裏戸口を出ると野良犬が二頭いる。いつもなら石でも投げつけているところだが、その夜は放っておいた。
 外から家に戻ると中は真っ暗だ。妻はシャワーを浴びている。夫はシャワールームの外から妻に「悪かった。結婚するよ」と呼びかけた。妻はすぐに出るから、ベッドで待っていて、と言う。
 服を脱いでベッドにもぐり待っていると、シャワールームのドアの音が聞こえ、次いで廊下から部屋の明かりを消すように言われる。
 真っ暗な部屋の中、何かが動いている。何も見えない。何も聞こえない。でも見知らぬ誰かがそこにいる。

**********

遅くなりました!
私は、ちょっとこの作品、気に入っています。何がどうというわけでもありませんけど、文章の淡々とした雰囲気とか…。
長編小説もあるかしら。探してみようっと♪

探してみました。「ボーイズ・ライフ」の筆者だったとは、知らなかった! 評判は聞いていたのだけど。今度ぜひ読んでみようっと。
Tobias Wolffは短編の評価が高いみたいですね。

さて、今回はMegumiさんが戻ってこられて、また三人のSummaryになりました。三人三様、まったくタイトルが違うところが面白いです。
夫は、本当は、黒人だったら、妻とは結婚なんて、しなかったと思っているのに、妻の機嫌をとるために、というか、仲直りするために、黒人だったとしても、「結婚する」って言うんですよね。
これって、「たとえ、私がどういう人間であろうと、あなたは私を愛す」って言われたい女心なんでしょうね。
しおぴーさんも書かれていますが、この著者、中々ユニークに人みたいです。他の作品も読んでみたいと思いました。
下にいくつか、Tobias Wolfの作品、紹介しておきます。
ボーイズライフ(VHS)字幕

This Boy's Life (ペーパーバッグ)
単語/勉強会HOME/掲示板/おすすめ洋書
 映画のことはハリポタ勉強会
お勧め辞書
Longman Dictionary of Contemporary English /American Heritage College dictionary/Colins COBUILDCD-ROM/小学館ランダムハウス英和辞典CD-ROM/世界最大!100万語収録CD-ROM英和和英辞書『英辞郎』
お勧め辞書サイト
Bartleby com/インフォシーク英和辞典/RNN時事英語辞典/Dictionary com/LYCOS:ディクショナリィPowered By バビロン