第30回 
The Bridge
Summary 2004.8,31 



Megumi

 

「彼女」は橋の上にいる。
若い女性がバレリーナのような優雅な動きで川に向かって何かを投げた。そのものが水面に落ちたとき、タイヤのパンクのような音がした。
「彼女」はそれが赤ん坊だと思い、若い女性に問い詰めようとしたが、ハッキリ言うことができず、若い女は行ってしまった。「彼女」は自分の持っていたメロンを川に投げ入れてみる。若い女性のしなやかな動きとは程遠い。落ちたときの音を思い出そうとするがそれもかなわず、泣き声がしないかと耳をすました。

こちらではご無沙汰しておりました。
今回は読んでみたのでとりあえず提出しました。月末は忙しいので早めに…ということで、流し読みのままの要約ですが。すみません。


ごえべえ
 自転車がいきおいよく通り過ぎ、彼女は驚いた。彼女の前を歩いている若い女性も驚いていた。自転車の若い男に何か言ってやればよかったと思ったが、前の女性が言ったようだ。自転車の男が振り返っていた。
若い女性は何かを抱えていた。鉢植えの植物か、花束か、赤ん坊か、何かを。
彼女は、マフィンや白ワインやメロンなどの食料品の入った袋を持っていた。
もし、前の女性に追いつければ、橋を渡り終えるまで話し相手になるかもしれない。赤ん坊のことをほめてみたり、花をほめてみたりして。
前の女性は、立ち止まり、川を覗き込んだ。彼女は、そのすきに女性に追いつきたいと思ったが、何を見ているのか気になって、川を覗き込んでみたが、特に何もなかった。と、前の女性は、抱えていたものを優雅な動作で川に投げ捨てた。
タイヤがパンクしたような音がして、それは、川に落ち、すぐに沈んでしまった。
彼女は叫ぼうとしたが、もし、赤ん坊だったら、川に飛び込むべきだと思ったが、できなかった。彼女は前の女性のところまで行き、「見てたわよ」と言ったが、相手は「雨が降るから計画してたことが台無しだわ」と言い、さっさと行ってしまった。
彼女は、メロンを袋から取り出し、試しに投げ入れてみた。さっきの音と比べてみようとした。泣き声が聞こえはしまいか耳を澄ましながら。


遅れてしまいました。ごめんなさい!


しおぴー
 彼女が橋を渡っていると、後ろからきた自転車が猛烈な勢いで彼女を追い抜いていった。彼女の前方を若い女性が歩いていて、その女性も自転車は追い抜いていった。彼女は自転車の人に文句を言い損ねたが、若い女性は何か言ったらしい。自転車の男が振り返ってその女性を見ていた。実際に若い女性なのかどうかはわからないのだが、ともかく、その女性は何か抱えて歩いていた。花束か、赤ん坊か。そんなようなもの。
 彼女は買い物の袋を下げていた。それほど重いものは入っていない。イングリッシュ・マフィンにラム・チョップ、白ワインが一瓶にカンタロープ・メロン。冷たい風が吹いていた。彼女は立ち止まり、ジャケットのボタンをとめ、マフラーを格好よく巻きつけた。マフラーはスカートによく似合っていて、彼女はそのことに満足していた。
 彼女は考えた。前方の女性に声をかけてみようか。何と話しかけようか。さっきの無謀な自転車の男のことでも話そうか。と考えていると、若い女性は立ち止まり、肩ほどの高さのある橋の欄干から下を覗き込んだ。女性のところへ追いつきたいが、やはり、女性の見ているものが気になる。彼女は、欄干から川を見下ろしてみたが、特に目を引くようなものは見当たらない。
 すると、若い女性が抱えていたものを川へと投げ込んだ。投げるときの女性の腕はそれは美しい弧を描いていた。パンクのような音がし川へ落ちた。新聞紙、それとも赤ん坊のブランケットだろうか、漂って流れていった。
 彼女は、若い女性が川へ飛び込むのではないかと慌てたが、そのようなことはなかった。彼女は、「見ていたわよ!」と叫びながら、女性の方へと急いだ。女性は、逃げ出したりはしなかった。女性は、確かに若かった。女性は、「もうじき、雨だわ。みんな台無しよ」と言うと、何を投げたのかという彼女の問いに答えることなく、去ってしまった。
 赤ん坊っていうのは、どの程度の重さなのかしらと、彼女は買い物袋からカンタロープを取り出して手に載せ、川に投げ込んでみた。あの若い女性のように美しい動作で投げることはできなかった。川に落ちるときの音を覚えておこうとしたが、それもできず、泣き声がしまいかと耳を澄ませた。


だらだらと長くなってしまいました。
もっと端的にまとめるようにしなくちゃなぁ…。

shio
 買い出しの帰り道、彼女が橋にさしかかると、自転車に乗った少年が乱暴に脇をすり抜けていった。腹立たしい思いで見送ると、前のほうを若い女が歩いているのが見える。赤ん坊か、鉢植えか、何やら大事そうに抱きかかえているようだ。
 しばらくそのまま歩いていると、女が橋の欄干にもたれて下を覗きこんだ。追いついて話しかけようかとも思ったが、何を見ているのか興味もあり、自分も覗きこんでみる。しかし川には通る船もなく、訝しく思っていると、女は抱えていたものを川に投げ入れた。まるでバレエのような優雅な動き。水面に落ちたとき、タイヤがパンクしたような音がした。赤ん坊のおくるみか
花屋の包装紙らしきものが一瞬浮かび、すぐに見えなくなった。
 びっくりして駆け寄り、「見てたわよ!何を投げたの!」と問い詰めてみるが、若い女は「雨になりそうね。おかげでせっかくの計画が台無しよ」とだけ言うと、肝心の質問には答えずに立ち去ってしまう。
 ひとり取り残された橋の上で、赤ん坊の体重ってどのくらいかしら?と考えながら、買い物袋からメロンを取り出した。両手で抱えて川に投げ込んでみる。若い女とは比べ物にならないぎこちない動きだ。さっきのかすかな音を思い出そうとするがうまくいかず、泣き声が聞こえはしないかと耳をすませた。


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久しぶりのサマリです。毎度遅くなってしまってごめんなさい。
先週から仕事を始めたので平日はほとんど時間がなくて、ざっと読んだだけで書いてしまいました。
次回はもうちょっと読み込んでからにしないと・・・

橋の上から若い女性が捨てたのは何か? とても気になったのですが、作者の意図としては、捨てたものが何かは重要ではないのだと、Megumiさんの書き込みでわかりました。今回は、久々に、shioさん、Megumiさんも参加していただいて、感激でした。
ここにMegumiさんの考察を貼り付けておきます。


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私も若い女性が何を捨てたのかはよくわからないです。でも、このストーリーって「思い込みは滑稽だ」ってことを描いてるのかなと思ったのですが。
あくまで私が感じたことですが、著者の意図としては、主人公が赤ん坊を捨てたと思い込むまでの心理を描いていき、読み手もそれを読み進めていくうちにだんだん主人公と同じ気持ちになるよう持って行く。で、主人公がその女性に「見たのよ」と言うと、「何なの?あなた大丈夫?」と怪訝な反応が返ってきて、そこで初めて「だたの思い込み?」と読者は拍子抜けし、多分主人公にもそういう思いはよぎってるんだけど、自分の勘違いを認められず、メロンなどを投げて悪あがきをしてるばつの悪さが残る、というか…。
女性が「計画がおじゃんになる」と言ったのは、単に今日予定しいたこと(たとえばこれから公園を散歩しようとか洗濯を干そうとか、そういう些細な一日の予定)が雨でおじゃんになるということを、あまり意味なく言ったんじゃないかと。というか、知らない女性から「見たのよ」なんていきなり変なことを言われたから、お愛想で適当に世間話を返したのではないでしょうか。つまり、思い込みで思いつめた彼女と、その心理を(当然ながら)わからない若い女性との全くかみ合ってなさを描くことで、彼女の切迫感がより空虚なものだということを強調してるのかなと。
そう考えるとこの著者書き方うまいんじゃないかと思う。だって、よく考えてみると、ずっと彼女の心理描写だけで話進んでますよね?読み手ももうこれは赤ん坊を投げ捨てた「事件」だ!という気持ちになってくるけど、実はそういう「事実」は全く出てこないんですよね。読み手も思い込まされてるだけなのだと思います。「正体見たり枯れ尾花」みたいな。
…という解釈はいかがでしょうか?(Megumi)

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