第17回 
A Walled Garden
Summary 2003,7,31 


塀で囲った庭
ごえべえ
 メンフィスの秋って、ライやサラトガみたいにコケで覆われた樫やエキゾティックなオレンジや黄色やさび色の葉のカエデなんてなくって、五ヶ月の夏が木々を燃えつくして、ただ茶色のわびしい葉があるだけなんです。お若い方。空気はほこりの海ですしね。私たちはできるだけのことをしました。庭を塀で囲んで。元々なんの美しさもなかったところに庭を築き上げたんです。娘のフランセスもこの庭以外にこのあたりには何もないことに気がついたんですよ。
もし、花のことを何も知らないあなたと娘がお友達だったら面白いですのにね。そうねえ、知り合うとしたら、娘の募金活動なんかの集会かしらね。娘の友達はほとんど花好きの人なんですよ。花を知らない人がいるなんて、ほんと奇妙。
もう、ほんとに何にもない混沌からこの庭を作り上げたんです。フラニーの遊び場だったんですよ。
夫が恐ろしく暑い48年の夏に死ぬ前、娘はあちこち走り回って、誰彼なしにつきあってたんです。まだ覚えているわ10代の頃のあの子の頑固さ。20代の頃の怒りっぽかったこと。12歳の頃はここで、とんぼ返りしたり、転げまわっていたんですよ。服に泥をつけて、まっすぐな黄色い髪は目まで覆ってたわ。私が実家に滞在して病気の母の看病をして帰ってきたとき、庭に向かって「フランセス・アン」って呼んだけど、ちっさなインディアンは一声叫ぶと、茂みの中へ入り込んで出てこないの。
おみやげを感謝祭やクリスマスまで渡さないわよって、おどしてもだめ。
私の声色が変わったのに気づいて、黒人の料理人が出てきた。フランセスと仲良しだったの。
フランセスは何も答えない。ただ猫みたいにうなってた。私は庭に出てフランセスをつかまえようとしたら、彼女はワイヤーフェンスによじ登ったの。追いかけたら、溝で足をひねってしまって。
それでもなんとか腕をつかんでつかまえたら、力を抜いて、彼女は倒れたの。起きなさいと言う前に、サッとまた逃げてしまって。
追いかけたけど、ヒールの靴をはいていたので、もう一方の足首をひねってしまって、動けなくなったの。
その私を助けようともせず、フランセスは汚らしい古いポプラからぶらさがっているブランコに乗って、ゆっくりと揺れているの。謝りもせず、じっと私を見つめて。長く伸びた前髪ごしにね。
翌日、その前髪は美容師のところでカットしてカールさせましたよ。


ああ、もう、今回はどうまとめていいのかわかりませんでした。
内容はよくわかったつもりだけど、庭のことを言いたいのか、フランセスのことを言いたいのか・・・弱りました!

塀で囲まれた庭
しおぴー
 メンフィスの秋はひどいほこりの季節。だから私たちは家の周りを塀で囲ったの。そして私はこの庭を作り上げてきたんです。塀の外の木は枯れていても、塀の内側の緑はすばらしいの。あの子は年を経るごとにここほどの場所なんて他にはないことを理解するようになりました。
 お花のことをご存じないの? あなたのような方と娘がお友達になるなんて、面白いこと。いったいどちらでお知り合いになったのかしら? きっとあのサークル活動ね。娘の数少ない友達は花好きばかり。だから、花のことを知らない人と知り合いになるなんてとっても奇妙な感じがするの。
 この庭は、あの子フラニーの遊び場で混沌としていた裏庭から私が作り上げたのよ。あの頃は今とは違って、主人もうちにいたし、フラニーはまだ子どもだった。季節ごとにいろんな花が咲いて。ヒヤシンス、ヒエンソウ、マリーゴールドにバラ。
 でも、ねえあなた、あなたお花のことご存じないのよね。あなたがたが友人同士になるなんて本当に不思議だこと。あなた娘が遅くて苛々しているわね。でも我慢して。あの子を甘やかすわけじゃないけど、すぐ来るわ。あの子ここ何年もお洒落になんて関心がなかったのに、最近は洗面所からなかなか出てこないのよ。主人が1948年の夏に亡くなるまでは、あの子はいろんな人とそこいらじゅうを走り回っていたものだわ。主人は私があの子の行動に制限をつけることをさせなかったものですから。
 私が実家のライから戻ると、あの子ったら私に歯向かって、黒人のコックとつるんでるんですよ。自分の子どもがすっかり凶暴な小さな動物みたいになってしまって。ある時なんて、夏の間、実家の病気の母の世話をしていて二ヶ月ぶりに帰ってくると、あの子は一声叫び声を上げると生垣に飛び込んで、名前を呼んでも、実家からのおみやげの新しいドレスのことを言っても、クリスマスまであげないわよと脅しても出てこなかったの。私がいろいろ言っている間も、土の上に縮こまって、何だかわけのわからないことをぶつぶつ言ってるの。怒った子猫みたいな声を出してね。私が大声で娘の名を叫ぶと、黒人のコックが出てきたけど、台所へ下がらせたわ。それからあの子に向かって歩いていったの。そうしたらあの子ったら生垣からお隣との境になっている金網の方へ行ったのよ。
 私がきつい言い方をしたのも早口になって言っていることがはっきりしなかったのも、たぶん暑さのせいだったと思うの。あの子が金網をつかんで上ろうとしたのを見て、私は帽子を捨てて歩くペースを早めたわ。庭にある溝で足首をくじいたのだけど、その痛みさえ感じなかった。怒鳴る私をあの子は神経質な目で見つめて時折何かつぶやいていた。とうとうあの子がてっぺんに上りきる前につかまえることができた。あの子をぐいと引っ張ったりはしなかった、でも、あの子は私が触れたとたんに金網を掴んでいた手の力をゆるめて、地面に落ちてしまったの。そして私が起きなさいというより先に飛び起きて、また私につかまらないところへ行ってしまった。私はハイヒールを履いた足で走って追いかけて、また溝で今度はさっきとは違う方の足首をくじいて倒れたわ。でもあの子ったらね、あなたには信じられないでしょうけれど、こんな話してごめんなさいね、私を助けもせずに、以前ここにあった汚らしいポプラの木にあったブランコに登って、ゆらゆら揺れながら、ぼさぼさの黄色いまっすぐな長い髪の間から私を見下ろしていたのよ。ポプラの木は根こそぎにしてしまったし、あの子の髪もその次の日に私の専属の美容師にカットさせて、くるくるの巻き毛にしちゃったわ。

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なんだか、このお母さんに屈折したものを感じるんですけど…。
フランセスも今は「いいお嬢さん」になってボーイフレンドもできたわけですよね。
でも、娘の初めてのボーイフレンドに、いくら子どもの頃の話とはいえ、こんなにひどい話をするって、やっぱり尋常じゃありません。
塀に囲まれた世界から外に出ようとしている娘に対する嫉妬なんでしょうか?
よくわかんないなぁ〜。

お庭の話というよりは、手に負えなかった娘の愚痴みたいなお話でした。けど、どこに中心を持っていけばすんなり要約にできるのか、難しかったです。
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