読書・英語・映画・パソコン イプシロン DVD予約タイトル20%オフ!  
HOME  英語  読書  映画  パソコン  パソコン教室  HP作成代行  ART   

村山 由佳
1964年東京生まれ。1993年「天使の卵〜エンジェルス・エッグ」で第六回小説すばる新人賞を受賞。「星々の舟」で第129回直木賞受賞。『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞を受賞。本作は文学賞トリプル受賞。

 
放蕩記
村山由佳(集英社)

この本について著者自身が語った言葉を私は聞いていないので、私が感じたことが正解なのかどうなのかは、わからない。でも、著者自身の母への愛憎が描かれた作品なのだと思った。
最初、一方的な母への恨みつらみだったら読むのがしんどいなと気が重かった。読み進むうちに、ひと言では言えぬ母への憎しみだけではなく、それを突き抜けた母への憐れみ、自分自身への嘲笑など、織り込まれた成長の過程のエピソードとともに主人公に感情移入して読むことが出来た。
母親との葛藤は、娘の人生や性格をねじ曲げてしまったものという気がする。
男性観も性に対する価値観も母親が娘に植え付けたものの影響が大きい。それは、反面教師という意味かもしれないし、全く同じ物の見方に知らず知らずのうちになるという、どちらも現れ方をするかは、人によって違う。
いずれにしても、母という大きな影響から逃れることはできない。
そういうことをもっと掘り下げて書いてほしかった。
「ダブル・ファンタジー」「星々の舟」はテーマがきちんとあり、読み応えも深みもたっぷりだった。けれど、「放蕩記」はテーマが「母娘」と「性」とどちらも中途半端で描き切れていないように感じた。
また、ラストがあまりにまとめ過ぎていて(それでもほろりと泣いてしまった)、こんな風に全てを丸く収めてしまっていいんだろうかと思った。
葛藤が大きかったのに、あっけなく心がほどけてしまったように思え、物足りなかった。
父伊智郎はとても素敵に描かれていた。伊智郎登場のシーンはとても小気味よく楽しかった。
成長過程では父の登場は少なく、存在感が薄かったが、後半は男性としても夫、父としても厚みがあり温かい人柄に惹きつけられた。
陽気で愉快だけれど性格のキツイ妻、美紀子に手を焼いていたはずでなのに、呆け始めた妻をこんなに大事にするものなのかと(罪滅ぼしの気持ちもあると出てはいたが)胸が熱くなった。
反対に主人公、夏帆と同棲している大介は、前半は大きな存在感があったのに、後半はまるで添え物のようになっていた。
大介のことももう少し書き込んでほしかった。(2012.2.1読了)

 
W/F ダブル・ファンタジー
 村山由佳(文藝春秋)

「どうせ脱ぐなら銀座の大通りの真ん中で脱いでやろう」というコンセプトで書いたという作品。
ことばの力で人生と未来を拓く」という京都新聞のイベントで村山由佳自身が語っているのを聴き、一体、どんな内容かとすぐに購入した。
さすがにトリプル文学賞受賞だけに文句なしに読み応えがあった。
登場する男性たちはそれぞれに個性的で魅力的だった。
冷たい男を好きになってしまい、翻弄されるところや、穏やかで性的にも満たしてくれる優しい男とつきあい、心も身体も満たされている筈なのにオスの匂いのする年下の男に惹かれていく様も感情移入して読んだ。
(2010.10読了)


天使の卵
天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

天使の卵
天使の卵 通常版 [DVD]

デビュー作

星々の舟
星々の舟 Voyage Through Stars

直木賞受賞作




おすすめ作家/おすすめ作品/おすすめ絵本/おすすめ短編集/小説・シナリオを書くのに役立つ本/おすすめパソコン書籍/
読書会の課題と内容/
パソコンのことは
サーチ:
Amazon.co.jpアソシエイト