読み聞かせ講座
2010.1.28
右京中央図書館
@ 本の選び方 / A本の読み方/B 服装/C 気構え、目的/D 手遊び
@ 本の選び方

どんな本を選ぶかは、読み手の好みというものもありますが、基本的には

A. ある程度の大きさがあること
 会場の広さと人数を考慮し、みんなに絵を見てもらえる、みんなが見えるものにしましょう。

B. 対象年齢
 私たちは幼稚園にまだ通っていない子どもたちを対象にしています。だから、見開きに文章が長々と何行もあるものは避けています。
 幼稚園児、小学生、と年齢が高くなればなるほど、長い文章のものも聞いてもらえるようになります。でも、逆に、高学年の児童でも、幼い子ども向けの物でも新鮮に聞いてもらえることもあります。
「少は多いをかねる」……文章が少ない作品は文章が多い作品を読める年齢層にも大うけのこともあります。

C. 場面割り
 絵本の見開きに何場面も数多く盛り込まれていると、先に結果がわかってしまったり、「どうなるのかな?」という期待感を薄れさせてしまいます。
 なるべく一場面ごとに描かれている物を選びましょう。

D. 参加型、変化があるもの
 紙芝居の「ふうっ」や「ボールをポーン!」など、一緒に声を出して進んでお話や、声を揃えて次の場面に行くお話が子どもたちは大好きです。
 また、「ねずみくんのチョッキ」のように、次の場面でどうなっていくのか、変化していくものも好まれます。
紙芝居「ボールをポーン!」
紙芝居「ふうっ」


A本の読み方

A. 声の調子
淡々と声音を変えずにという読み方がいいと思われるのなら、それもいいと思います。でも、登場人物にや擬音によって少しずつトーンや声色を変えて読んでみるのもいいと思います。
いずれにしても、会場にいる子どもたちがみんな聞こえるくらいの大きさで読むことを心がけましょう。
もし、声が届かないのではと心配なときは、近づいて聞いてもらえるよう工夫してみましょう。
早口にならず、なるべくゆっくりはっきりと言葉の聞き違えが起こらないように読みましょう。

B. 本の持ち方
見開きの中央、本の中心をしっかり支え、絵を隠さないよう注意して持ちます。
また、読んでいるときに本が傾いていないよう気をつけてください。
本は画面と同じですので、グラグラすると見にくいです。同じ位置で読み続けられるようにしましょう。

C. 紙芝居の時
紙芝居のとき、真後ろにいると、声が紙芝居にあたってしまい、聞こえにくくなります。
なるべく紙芝居の横に位置して、口が紙芝居に隠れないように読んでください。

D. 説明について
人によって考えは違うと思いますが、絵本に書いていないことは、読者が想像したり、見つけたりしてもらうように作者が意図しているものです。
「どうなったかなぁ?」とか「どこにいるのかなぁ?」など、言い添えるたり、指で示すのもいいかもしれませんが、子ども自身に見つける喜びを残しておいてあげたいです。
もし、見つけられなかった、わからなかったとしても、「みつけたい!」という気持ちを子どもが持てば、自分で手にとって読んでみたい、もしくはお母さんに読んでもらいたいと思うのではないでしょうか。

E. ページをめくる
見開きのページの文章を全て読み終わっても、少し間をおきましょう。
子どもたちが絵を十分に見てから次のページを開きましょう。
また、文章がなく絵だけのページもすぐに次のページを開かずに、しばらく絵を見てもらいましょう。

B 服装

 読み聞かせでは、主役は絵本や紙芝居です。
 読み手は黒子だと思ってください。
 なるべく落ち着いた黒の服がいいかと思います。
 またエプロンシアターのときは、内容に適した明るいカラーも適しているかと思います。

C 気構え、目的


読み聞かせの目的は何でしょう?
読み聞かせをする方の数だけ目的はあるかもしれません。
私たちは、子どもたちに本の楽しさ、面白さを知ってもらいたい、本、ひいては読書に親しんでもらえる入り口になれたらと思っています。
ですから、あくまでも読む姿勢は、「聞かせる」ではなく「聞いてもらう」でありたいと思います。
幼い子どもたちは、立ち上がり、絵本や紙芝居に近づき手を伸ばすこともあります。
そういうとき、叱るのではなく、「他の人たちが見えないから、座ろうね」と声を掛けてみたり、子どもの手の届かない場所に絵本や紙芝居を置くなど工夫してみます。
「読み聞かせに行って、叱られた」とマイナスイメージを子どもに持たれないようにしたいです。
子どもが絵本に近づくのは興味を持った証拠です。
その興味の芽を摘んでしまわないように気をつけたいです。
読み聞かせをするとき、目的意識をきちんと持っていることも大切ではないかと思います。

D 手遊び

幼い子どもたちは特に集中力を保つのが難しいです。
絵本や紙芝居の合間に手遊びを入れ、身体をほぐし、気分を切り替えると、またお話に集中しやすくなります。
いきなりお話会を始めるのでなく、歌でお話会が始まるのを知らせるのもひとつだと思います。

最後に
あなたの持ち味を出し、あなたにしかできない読み聞かせをしてください。
子どもたちの真剣な眼差しや笑顔が、読み聞かせの大きな報酬だと思っています。

2010年1月28日
読み聞かせサークル クローバー
小西 喜子
村田 美登里
三上 佳代
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