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永遠の出口
森 絵都
(自宅読書会2004年4月課題)


概要
岸本紀子が小学生から高校を卒業するまでの成長を描いた物語。

感想
書店で本書を見つけたとき、「『本の雑誌』ベスト1」と帯に大きく書かれてた。ヤングアダルトの著者が初めて、一般書を書いた作品。
カラフル」「つきのふね」は大好きな作品。心の中にスーッと入ってくるやさしい文体と心なごますストーリー。 でも、長い間、彼女の作品を読んでいなかった。久しぶりに読んでみたくなり、どうせならと、読書会の課題にもしてもらった。
「永遠」と言う言葉に弱い紀子。「のりちゃんは、もう永遠に○○が見られないのよ」「のりちゃんはもう永遠に一生、○○の話は聞けないのよ」と姉に言われると、それがどうしても知りたい、見たい!
という少女が、永遠に見られない、知ることのないものの方が人生の中で多いと気づき、(初めの成長)徐々に、自分を呪縛しているものから、解放されていく。
小学五年の担任「黒魔女」とクラスメイトは呼び、彼女にクラス全員が逆らえない。しかし、それも、同じように自分たちを呪縛してしまっていたと気づかせられ…

9つの章に別れ、それぞれが、少女期から大人へと移行するときに体験した自分の経験とも重なり、母親の視点にはならず、時代も私の頃と似ているので、常に主人公に感情移入して、成長をまるで反芻するかのように読み進んだ。
両親や姉とのかかわりについては、それほど、たくさんのページは割かれていなかったが、家族でしかわからない笑い、共有した時間、思い出が、人間形成の基礎になっているのだろうなと思った。
ぐれて、外泊ばかりしていた娘なのに、両親が離婚するかもという局面でうろたえるのが、興味深かった。

そして、小学生のときの親友が高校卒業前に尋ねてきてアメリカへ留学をすることを告げると、ちっとも行き来がなかったのに、かかわらず、何ともいえない寂しさを感じる。感じても口には出せない。
会ったり、話したりすることはなくても、同じ町に居てくれてるというだけで、なんとなく安心できる、そういう気持ちがよくわかった。

失恋したときのエピソードは、失恋とは、本人にとっては、すごく辛い体験なのに、なぜか、読んでいる方は(傍で見てたら、痛々しいだろうが)笑いを誘われてしまう滑稽な話。これは、映画「恋愛適齢期」でも同じだった。


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